ゴーン被告 「最も成功したビジネスマン」「腐敗した人の避難所でない」 市民、歓迎と反発:国際(TOKYO Web) - 東京新聞

２日、レバノン・ベイルート中心部で、ゴーン被告の自宅を訪れた日産代理人のサハル・ハシミ弁護士。報道陣に「ここは日産の所有だ」と主張した＝奥田哲平撮影

　【ベイルート＝奥田哲平】前日産自動車会長カルロス・ゴーン被告は、レバノンで「最も成功したビジネスマン」として知られ、帰国を歓迎する声もある一方、「レバノンは腐敗した人びとの避難所ではない」と反発の声も上がる。

　ベイルート中心部にあるゴーン被告の自宅。ピンク色の瀟洒（しょうしゃ）な三階建て邸宅前には警察官が配置され、国内外の報道陣が集まった。ゴーン被告の滞在先は不明だが、一日には静かだった自宅には、二日昼ごろに妻キャロルさんと似た女性を乗せた車が入り、料理人が慌ただしく出入りした。

　近所の精肉店の女性店員は「彼は日産を助けたのに、ひどい拘束状況に置かれた。まずは家族とリラックスし、レバノンの経済立て直しに協力してほしい」と擁護する。一九九〇年まで内戦が続き、産業に乏しい人口六百万人の小国にとって、国外で成功した市民は尊敬を集める存在。ゴーン被告はその象徴として英雄視され、学校への寄付など地元貢献にも熱心だった。

　一方、政治腐敗の一掃を求める反政府デモを主導するエレベーター技師ハディ・ムンラさん（３７）は「ようこそ汚職大国へ」と皮肉った。レバノンでは一部の既得権層が政治経済を牛耳り、反政府デモを受け内閣が総辞職。ムンラさんは「政府は経済危機を救ってくれると考えているのかもしれないが、逃亡してきた人物に職を与えるのか。日本と外交問題に発展しないか」と心配した。

　ベイルートの邸宅は、ゴーン被告が経費を私的流用し、日産に九百五十万ドル（約十億円）で購入させ、七百二十万ドル以上かけて改修したとされる。二日にはレバノンでの日産の代理人弁護士が邸宅を訪問し、「ここは日産に所有権がある。ゴーン氏が滞在すべきではない」と訴えた。近く返還請求訴訟の判決が予定され、「取り戻せると確信している」と語った。

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January 03, 2020 at 05:54AM
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