Search

レバノン爆発 背景に政治の腐敗 責任巡り対立激化も - 日本経済新聞

【イスタンブール=木寺もも子】レバノンの首都ベイルートで起きた爆発の背景に、長年の政治腐敗が浮かび上がってきた。ディアブ政権は危険物を放置した関係者の捜査に取りかかったが、対立する宗派勢力は政権の無策を批判するなど、責任をなすりつけ合う。市民らは支配層への怒りを募らせている。

爆発で破壊されたベイルートの港付近(6日)=ロイター

爆発で破壊されたベイルートの港付近(6日)=ロイター

「新しい政治の仕組みが必要だ」。6日、ベイルートを訪問した旧宗主国フランスのマクロン大統領はレバノンへの支援の条件として改革の必要性を強調した。レバノンにはびこる「腐敗」にも言及した。

爆発では少なくとも135人が死亡、5000人が負傷した。事件か事故かは確認されていないが、明らかになったのは機能不全の政治・行政システムだ。爆発した硝酸アンモニウム2750トンは、安全対策なしで港に6年間放置されていた。

ロシアのタス通信などによると、硝酸アンモニウムを積んだロシア人実業家の貨物船は2013年、基準違反などを理由に寄港先のベイルートの港にとどめ置かれた。積み荷を押収した当局は当初から危険物の存在を承知しており、税関も撤去の必要性を訴えていたが、対応はされなかった。

レバノンの国営通信NNAによると、当局は6日、爆発原因の捜査のため港や税関の関係者ら16人を拘束した。

レバノンは1975~90年の内戦後、大統領がキリスト教マロン派、首相がイスラム教スンニ派などと、18の宗派で政治ポスト、利権を分配する仕組みを取り入れた。この結果、公的セクターは硬直化し、汚職や腐敗がまん延した。親イランのシーア派武装組織ヒズボラも強い影響力を持つ。

2019年秋には大規模な反政府デモでハリリ前政権が退陣を余儀なくされたが、経済状況は悪化し、ディアブ政権は3月、初の債務不履行(デフォルト)を宣言した。長年の放漫財政で公的債務は国内総生産(GDP)の170%に達する。

「我々の政治家を追い出すのを手伝ってくれ」。数百人のベイルート市民は6日、視察に訪れたマクロン氏を取り囲んで助けを求めた。世界銀行の推計で生活に困窮する市民の割合は45%に上り、不信や怒りは特権や富を独占する指導層に向く。6日には小規模なデモも起きた。

指導層は責任を押しつけ合う。イスラム教ドルーズ派の政治指導者は6日「政府は信用できない」として国際捜査を求めた。米国に近い立場のハリリ前首相は5日、ディアブ首相や背後のヒズボラを念頭に「責任は政権連合にある」と批判した。

Let's block ads! (Why?)



"腐敗" - Google ニュース
August 07, 2020 at 02:15PM
https://ift.tt/2EQDmbp

レバノン爆発 背景に政治の腐敗 責任巡り対立激化も - 日本経済新聞
"腐敗" - Google ニュース
https://ift.tt/2CLdWYC
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

Bagikan Berita Ini

Related Posts :

0 Response to "レバノン爆発 背景に政治の腐敗 責任巡り対立激化も - 日本経済新聞"

Post a Comment

Powered by Blogger.