参院選いつ投票？勝敗の鍵は？仕組みや投票方法、分かりやすく解説 - 河北新報オンライン

2022年6月8日 6:00

天皇陛下を迎えて開かれた第２０５臨時国会の開会式＝２０２１年１０月８日午後、参院本会議場

　３年に１度の参院選が近づいています。６月２２日に始まり、７月１０日に投開票する日程になりそうです。岸田文雄首相の政権運営に対して、事実上初めて民意が問われる国政選挙になります。参議院の仕組みや投票の方法、焦点となる数字について分かりやすくまとめました。（編集局コンテンツセンター）

二つの議院、多様な意見

　日本の国会は衆議院と参議院の二つがあり、「二院制」と呼ばれます。それぞれ議員の数や議員を務める期間が異なります。違う方法で選ばれる二つの議院があることで、国民の多様な意見が集まり、議論が深まることが期待されます。

　衆議院の議員数は４６５人で、任期は４年です。解散されると、任期の途中でも全ての議員が選び直されます。このため、国民の意思や世論をより強く反映できるとされます。予算の決定や首相選びで参議院と意見が違った場合、衆議院の意見が優先されます。立候補できるのは２５歳以上です。

　参議院の議員数は２４８人で、任期は６年です。３年ごとに半分の１２４人を入れ替えます。継続性を保つとともに、国会の機能の空白化を防ぐためと言われています。任期途中の解散がないため、じっくりと時間をかけて、長期的視点に立った慎重な調査や審議ができるとされます。立候補できるのは３０歳以上です。

二院制、８１カ国で採用

　世界各国の議会でつくる列国議会同盟（ＩＰＵ）によると、二院制は１９２カ国中８１カ国（２０２０年１２月現在）で採用されています。先進７カ国（Ｇ７）のメンバー（日本、米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ）は全て二院制です。

　１９３６（昭和１１）年に完成した国会議事堂は左右対称に建てられています。「帝国議会議事堂建築報告書」によると「両院事務局の意見と欧米諸国の実例等を参照し」、貴族院が正面に向かって右側、衆議院は左側と決まったようです。

　参議院広報課は「英国会議事堂（ウェストミンスター宮殿）は上院が右側、下院は左側になっている。それに倣ったのではないか」と話します。貴族院は１９４７（昭和２２）年に廃止され、代わって参議院が開設されました。

有権者は２種類投票

　今夏にある参院選で、有権者は２種類の投票をします。

　一つは選挙区選挙で、投票用紙に候補者の名前を書きます。選挙区は原則、都道府県単位で４５区に分けられます。鳥取と島根、徳島と高知はそれぞれ２県で１区となります。

　人口に応じて各区に２～１２議席が割り振られます。選挙で半数の１～６人、合わせて７４（今回は神奈川選挙区の欠員１補充を合わせて７５）人を選び出します。

　宮城選挙区は２０１６年から定数が２に減りました。これにより、東北６県は全て選挙で１人が選ばれる「１人区」となりました。

　もう一つは全国規模で５０人を選ぶ比例代表選挙です。投票用紙に比例代表の候補者の名前か、支持する政党の名前のいずれかを書きます。（衆院選の比例代表は政党名だけ書きます）。その数を集計して、政党ごとに議席を割り振ります。当選者は票の多い順に決まります。各政党は優先的に当選できる「特定枠」を指定することもできます。