Search

アダプティブ空間 :つながりの鍵は「エナジャイザー」:日経ビジネス電子版 - 日経ビジネスオンライン

ネットワーク理論で読み解く「アジリティー」(写真=PIXTA)

ネットワーク理論で読み解く「アジリティー」(写真=PIXTA)

組織はどうすればアジリティー(機敏さ)を高められるのだろうか? 「人とのつながり」こそが、アジリティーの鍵になり、「エナジャイザー」の存在が鍵となる。エナジャイザーとは何か。

(前回「アダプティブ空間:組織デザインからソーシャルデザインへ」から読む)

第3段階:アイデアを普及させるつながり

 (アイデアを)普及させるつながり(ディフュージョン・コネクション)は、アイデアを組織全体に広げることで、開発の小さなポケットを超えてアイデアを移動させるのに役立つ。米アマゾン・ドット・コムでピザ2枚で昼食がまかなえるほど小規模なチームという意味で使われるツーピザチームによって開発されたアイデアは、組織全体の他のチームによって拒否される可能性が43%高くなる。

 この「(アイデアが)ここ(自分のチーム)で生まれたのではない」という反発 があるからこそ、ネットワークの力が不可欠になるのである。

 アダプティブ空間では、対人の交流によって、開発から生まれたコンセプトが組織全体に行き渡る。グループ単位でのアイデアの実現によって企業が得られる価値は限定的でしかない。凝集性の高いグループは、他のグループから孤立しているため、しばしば自分たちのアイデアが組織全体から否定されるのを目にすることになる。

 このようなグループは、漸進的な変化を効果的に実現することはできるが、抜本的な変化の促進にはあまり寄与しない。また、凝集性の高いグループのメンバーは、自分のアイデアを押し通すことで、ネットワーク内での自分の地位が脅かされることを嫌がるかもしれない。幸いなことに、ディフュージョンコネクションは、アイデアがその集団の外に運ばれ、組織内により広範に、より容易に普及することを可能にする。

 力のあるネットワークにおいては、アイデアやコンセプトはポジティブなつながりによって素早く広がっていく。数年前、ある大手医療機器メーカーは、自社を内部から破壊的に改革しようと、スーパースターを集めた強力なイノベーションチームを結成した。28人の優秀な人材が毎日集まり、新しいコンセプトとビジネスモデルを構築した。そして、医療機器のユーザーたちを巻き込んで、デザイン思考とプロトタイプのテストをした。

 しかし、3年たっても、商品化されたものはゼロ。経営陣はこれ以上の継続を諦め、チームを解散させ、メンバーを組織全体に再配置した。ところが、驚くべきことが起こった。イノベーションチームがかつて提案したコンセプトと全く同じものが、組織内で支持され始めたのだ。それは、チームが解散しても、メンバーは組織を内部から改革するという信念を失っていなかったことを意味する。

Adblock test (Why?)



from "鍵" - Google ニュース https://ift.tt/dXbWAgt
via IFTTT

Bagikan Berita Ini

0 Response to "アダプティブ空間 :つながりの鍵は「エナジャイザー」:日経ビジネス電子版 - 日経ビジネスオンライン"

Post a Comment

Powered by Blogger.