とはいうものの、完全な混沌状態になっているわけではない。まずは、「宇宙からやってきた異星人ロックスター」ジギー・スターダストとしてグラム・ロックのセンセーションを巻き起こした70年代前半の活躍ぶりがたっぷり紹介される。それからベルリンに居を移しての実験的な3部作の発表、83年の『レッツ・ダンス』での国際的な大成功を経て、90年代以降にも意気軒昂にクリエイティヴな発信を続ける……という、なんとなくの流れは保たれている。
その骨組みを構成しているのは、選りすぐりのライヴ映像の数々だ。貴重な未公開映像に加え、これまで既に発表されてきたものも、高画質・高音質に磨き上げられて観る者を引き込む。ジギーとしての1973年の最終公演を記録した映画『ジギー・スターダスト』(D.A.ペネベイカー監督)でカットされていた部分が改めて紹介されているのも嬉しい。1978年の「ヒーローズ」のライブ映像も見応えがある。
時間の制約があるから仕方がないとはいえ、少し寂しかったのは、個人的に最も好きな「ジギー前夜」、アルバム『ハンキー・ドリー』の頃のボウイがあまり紹介されていなかったこと。そう思っていたら、ちょうどこの時期のデモやライヴ音源をまとめたボックス・セット『ディヴァイン・シンメトリー』が発売されたばかりだった。ボウイ財団はファンの気持ちをよくわかっている。
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