阪神近本光司外野手(28)が同点打&ダメ押し打で勝利をたぐり寄せた。1点ビハインドの3回無死一、三塁、ガゼルマンから右前適時打。3点差に迫られた直後の8回には1死二塁から中越えの適時二塁打を放った。前日12日は3安打を放っており、直近2試合で9打数5安打3打点。一時下降気味だった打率も3割4厘まで上げた。

好調の鍵は「イメージ」にある。8番木浪が出塁し、1番近本がかえす好循環で19打点はリーグ2位タイ。「8番の聖也が調子いいので、それで(好機で)回ってくるのが多いのは分かる」とした上で、心がけていることがある。

「自分のイメージをどれだけ持てるか、だと思いますね。こういう風な配球、こういう風な攻め方をしてくるから、そうなったときのイメージをして。そこから可能性の高いやつをイメージしながら、自分のイメージをつくって、どうなるんかなと」

自らの頭にいくつかあるイメージの選択肢から、何を選ぶか。ピンポイントに狙い球を絞るのではなく、配球やバッテリーの攻め方など、総合的に頭に思い描いている。

「(準備するのは)イメージだけで、あとはどうなるのか。そこは楽しみな部分なので。別にアウトになろうがヒットになろうが関係なく、どういう打球が飛ぶかというのが、今はいいのかと思いますね」

徹底的にイメージさえすれば、そこから何かが生まれる。打撃を追求するバットマンらしい感性で野球を楽しんでいる。【中野椋】