
欧州宇宙機構(ESA)の太陽観測衛星ソーラー・オービターが、非常に珍しい太陽の大気を記録することに成功しました。
成功の裏にあったのはちょっとしたカメラへの細工。この観測のために最後の最後で、太陽の眩しすぎる光をブロックする小さな突起がマシンに加えられたのです。カメラレンズの上に手をかざすようなちょっとした作戦、見事大成功でした。
親指サイズの突起をつけた
今回、観測チームが使用したのは、ソーラー・オービターに搭載された機器、極端紫外線イメージャー(Extreme Ultraviolet Imager:EUI)。太陽の大気構造を、高解像度で撮影するのを目的としたマシンです。
このEUIの安全ドア部分に親指ほどの突起物をくっつけました。このドアは、太陽光をカメラに取り込むためにスライドする仕掛けになっています。ドアを途中で止め、取り付けた突起物が、太陽からの眩しすぎる光を遮ることで、大気の最も外側にある光環の紫外線を取り込めるようにしてくれました。
その甲斐あって、記録できた太陽の大気の様子がこちら。
通常、太陽の大気は眩しい太陽光によって見ることはできず、観測できるのは日食の時くらい。今回の突起物アイディアは、撮影装置側で日食を再現した形となりました。
うまくいって、チームもびっくり!
「まさにライフハックでした。とりあえずやるだけやってみて結果を見ようと思ったら、うまくいったんです。本当にちょっとした単純な仕掛けなんですよ」そう語るのは観測チームのメンバーでパリ南大学の宇宙物理学研究所所属のFrédéric Auchère氏。
コメントからも嬉しびっくりな雰囲気が伝わってきますね。
Source: ESA
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