
2024年の必修ワード「リテールメディア」。米国ではデジタル広告市場全体の約20%をリテールメディアが占める規模になる中、日本の市場は今後さらにスケールするか否かの岐路にある。単なるデータを活用した新広告サービスではなく、リピーター獲得にまでつながる新しい価値を持ったサービスになれるか。小売りのDXサービスを展開するフェズは、この実現を目指している。
ドラッグストアやスーパーのアプリに表示されるクーポン、大手ECプラットフォームで自分の購買履歴と連動して表示される広告。これらはここ数年で急激に話題に上ることが増えた「リテールメディア」の一種だ。
23年6月に発表された、世界最大級のメディアエージェンシー、英グループエムのリテールメディアに関するリポートによると、全世界のリテールメディアからの広告収入は23年に9.9%増加して、約1260億ドル(約18兆9000億円)に達する見込みだという。米国ではデジタル広告市場全体の約20%をリテールメディアが占める規模になり、デジタル広告の新たな柱となりつつある。
日本でも市場が活性化しつつあり、大手コンビニエンスストアチェーンのセブン-イレブンジャパンは、22年9月にリテールメディア専門部署を設置。その他にも様々な小売企業の参入が相次いでいる。
リテールメディアとは、購買データなどの小売りが持つデータを活用した、新たな形の広告や販促サービスのこと。小売り企業では、ポイントカードやアプリを通じて顧客一人一人にIDを付与している。IDで顧客個人を識別できることで、その人の購買データや来店頻度が分かる。
従来こうした購買データは、自社での販促活動など、小売企業内のみでの活用にとどまっていた。このデータを基にしてデジタル広告やコンテンツを開発するサービスが、リテールメディアだ。
購買データを基に、商品への興味や関連性が高いと推察される層に広告を配信できるため、無駄のないマーケティングができるとして、広告主からの引き合いが強い。加えて、価格優位性が顧客を獲得する大きな要素となる小売企業にとっては、広告事業という利益率が高い新たな収益源ができることになる。
リテールメディア市場の成熟には
とはいえ、「日本でリテールメディアが本当にスケールするかどうかは、24年次第で大きく変わると考えている」と、小売りのDX(デジタルトランスフォーメーション)サービスを提供するフェズ(東京・千代田)の代表、伊丹順平氏は言う。
日本でもリテールメディア市場が根付くか否かの鍵は、単に広告を流して商品の認知を広げるだけでなく、消費者の“ファン化”にまでつなげられるサービスになれるかだという。背景には、小売りと広告主であるメーカーが直面する3つの社会潮流がある。
1つ目は、原材料費の高騰。 よってメーカーは、製造にかかる以外の費用のROI(投資対効果)を見直すことを迫られている。 広告販促費もその最たるものだ。
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