マサチューセッツ州ケンブリッジにあるコーヒーショップ、サーカス・コーパラティブ・カフェ(Circus Cooperative Cafe)。
Pat Greenhouse/Getty Images
- 街の再開発に反対する人たちはよく、「密集した地域は不要だ」と言う。
- しかし、より手頃なコストで包括的なコミュニティを作るためには、ある程度の住宅密度は必要だ。
- 幸福度を最大化するためには、住宅密度は必要だがそれだけでは十分ではないことが最近の調査で分かった。
北米各地の市や町が、住宅不足が主な原因である住宅価格急騰に苦しむ中、都市計画者たちや住宅建設推進派たちは、住宅密度に対する嫌悪感に直面している。
住宅建設推進派は、より手に入りやすく包括的なコミュニティを作るためには、より多くの人々がより密度の高い地域に住む必要があると述べている。だが、新規開発に反対する人々の多くは、交通量の増加、学校の過密化、高層住宅が暗い影を作ることなどを心配している。彼らは、住宅密度が高くなると、地域の特徴が変わり、彼らの幸せな状態が損なわれると主張している。
カナダのデザイン会社ハッピー・シティーズ(Happy Cities)の都市プランナーで研究者のトリスタン・クリーブランド(Tristan Cleveland)は、「すべての人に十分な住居を提供するためには、特に交通機関の近くで人口密度を高める必要があるのは明らかだが、人口密度に対する根強い不信感が昔からある」 と述べた。
クリーブランドと彼の同僚たちの取り組んだ最近の調査は、密度、そして住宅の種類のような建築環境の他の側面が、個人の幸せや健康にどのように影響するかを明らかにすることが目的だった。カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバー地域の15の自治体に住む約1900人を対象に行われたこの調査では、密度の高い地域での生活が、幸福度や社会的つながり、福祉の低下と関連するという証拠は見つからなかった。むしろ、住民の幸福を最大化するためには、ある程度の密度が必要だが、それだけでは十分ではないことがわかった。
適切に設計された密度(交通機関や店、レストラン、公園などの施設に簡単にアクセスできる歩行者に優しい道路を想像してほしい)は幸福度と正の相関関係があった。しかし、非常に狭いアパート、乏しい緑地、大きな道路など、適切に設計されていない密度は、幸福度の低下と相関していた。
「地域の快適な環境、店舗、交通機関など、密度によって可能になるものを提供せずに、単にタワーマンションを何棟も並べる場合、実際には幸福のための密度の価値を提供することにはならない」とクリーブランドは言う。
歩きやすい地域に住み、運転や通勤に費やす時間を減らし、コーヒーショップや公園などのサードプレイスを利用できることは、幸福度や社会的つながりの向上に関連するという研究結果がある。
「必要なものがすべて家の近くにあれば、結果的に多くの時間を節約できる」とハッピー・シティーズの住宅専門家であり、同社の報告書を共著者でもあるマドレーン・ヘバート(Madeleine Hebert)は言う。
「時間が節約できれば、家族と過ごす時間が増え、運動する時間ができ、近所の人との社会的つながりを築く時間ができる」
ただ、公共交通機関や地元の商店やレストランなどの施設を支えるためには、ある程度の人口密度が必要だ。
密度は必要だがそれだけでは十分ではない
北米の人々は、自分たちの住む地域の住宅費がいかに高騰しているのかを心配しているだけではない。彼らは帰属意識も求めている。ハッピー・シティーズの調査の回答者は、「手頃な価格」の次に、「友人や家族との距離の近さ」、「地域の雰囲気やコミュニティ感」を自分の住む地域に欠けている要素の上位に挙げている。
この調査の回答者の40%以上が、レストラン、店、公園など、社会的・娯楽的施設に近いという理由で、その近所に住むことを選んだと答えている。一方、職場に近いことを優先した人は28%、学校に近いことを優先した人は19%だった。
しかし、それにはコストがかかる。2023年に発表された分析によると、アメリカの35大都市圏の住宅購入者は歩きやすい地域に住むために34%多く支払い、一方、賃貸住宅に住む人は41%多く支払っていた
注目すべきことに、この調査ではアパートか一戸建てかといった住宅の種類と幸福度の間に有意な相関関係は見られなかった。
「一戸建てでも、タウンホームでも、タワーマンションでも、人は同じように幸せになる可能性が高い」とクリーブランドは話す。
「あらゆるレベルの密度は、さまざまな理由によってさまざまな方法で幸福と両立する」
唯一の例外は、地下のアパートと非常に小さな部屋だ。地下の住戸に住むことは、社会的なつながりや隣人との関係が希薄になることと関連しており、広さ300平方フィート(約27.8平方メートル)以下のアパートに住むことは、収入、所有の有無、施設の数、その他の要因をコントロールした場合でも、一般的な幸福度の悪化と関連することがこの調査で明らかになった。
研究者たちは、小規模なユニットを持つ大きなタワーの多くが、低所得者向けに設計され、コミュニティスペースや施設があまり利用できないものあることを発見した。これらの調査結果は、都市計画者や建設者が幸福を促進するデザイン要素を組み込むことの重要性を示している。
「最も弱い立場にある住民が住むことが分かっている小規模ユニットを設計する場合、その住民がコミュニティや施設と十分につながるのか、また建物内にソーシャルスぺースがあるのかを確認する措置がなければ、このような小規模ユニットを建設することは人々の幸福度にさらに悪影響を及ぼす危険性がある」とヘバートは話している。
from "鍵" - Google ニュース https://ift.tt/WSF0Yie
via IFTTT
Bagikan Berita Ini
0 Response to "幸せの鍵は、カフェの近くに住むことかもしれない - Business Insider Japan"
Post a Comment