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FCNTが再始動、「らくらく」シリーズ維持と巻き返しへ鍵握るレノボとのシナジー - ITpro

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 「旧FCNTにおいて多くのお客様やお取引先様、ステークホルダー様に多大なご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます」

 携帯電話メーカーのFCNTは2024年5月16日に事業戦略と新商品の発表会を開き、田中典尚社長は冒頭でこう陳謝した。同社は富士通の携帯電話端末事業が母体で、NTTドコモのシニア向け携帯電話「らくらくホン」などを手掛けてきたが、部材費高騰や円安などで収益が急速に悪化し、2023年5月に東京地方裁判所へ民事再生法の適用を申請していた。

 同社に救いの手を差し伸べたのは中国レノボ・グループ。旧FCNTの事業を承継した新生FCNTが初めて発表したスマートフォンの新機種が「arrows We2」シリーズだ。NTTドコモとKDDI(auとUQ mobile)が取り扱い、2024年8月に発売する。ドコモ向けの「arrows We2 Plus F-51E」では自律神経活性度の計測機能を「世界初搭載」(同社)とうたったが、レノボ傘下で巻き返しとなるか。

シニア・サステナブル・ヘルスケアに注力

 レノボから派遣され、FCNT副社長に就いた桑山泰明氏は5月16日の発表会で「シニア」「サステナブル」「ヘルスケア」の3領域に注力していく方針を示した。同社が企業理念で掲げる「やさしいテクノロジー」をベースとする。

登壇したFCNTの桑山泰明副社長(左)、田中典尚社長(中央)、外谷一磨プロダクトビジネス本部チーフプロフェッショナル

登壇したFCNTの桑山泰明副社長(左)、田中典尚社長(中央)、外谷一磨プロダクトビジネス本部チーフプロフェッショナル

(写真:日経クロステック)

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 1つ目のシニアはシリーズ累計販売台数で700万台を突破した「らくらくスマートフォン」をはじめ、旧FCNTが長年手掛けてきたシニア向け端末の事業承継を指す。これにより既存の顧客を確保する。

 2つ目のサステナブルの代表例が環境配慮型のスマホ「arrows N F-51C」だ。同機種では再生プラスチックや再生アルミニウムを採用。本体重量からバッテリーやディスプレーなどの電気・電子部品を除いた部品総重量に対するリサイクル素材総重量の割合を約67%とした。「今後も次のarrows Nを検討していきたい」(桑山副社長)。

 3つ目のヘルスケアに関してはこれまでも血管年齢や心拍数、睡眠時間などを測定する機能を実装してきた。新商品のarrows We2 Plus F-51Eは、背面カメラ下のセンサーで読み取ったバイタルデータから独自のアルゴリズムで自律神経の活性度を算出。健康状態の変化を把握できることを売りにする。今後もヘルスケアに特化した機能を強化していく考えである。

NTTドコモが2024年8月に発売する「arrows We2 Plus F-51E」

NTTドコモが2024年8月に発売する「arrows We2 Plus F-51E」

(写真:日経クロステック)

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