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ECBのインフレ退治最終1マイル、鍵は生産性-利下げ左右する公算 - ブルームバーグ

欧州中央銀行(ECB)はインフレ率2%の目標の達成には生産性の向上が鍵だとしているが、想定通りに生産性が高まらなければ、持続的な利下げが実現しない可能性がある。

  消費者物価上昇率が、ECBの想定通りに来年後半に2%ま下がるためには、賃金上昇鈍化や企業の利益率縮小と同時に生産性が向上しなければならない。

  生産性の高い労働力が増えれば、単位生産量あたりのコストが下がり、インフレ率に低下圧力がかかると共に、ユーロ圏経済が停滞を脱するのに役立つと期待されている。しかし、生産性改善はなかなか実現しない。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)やロシアのウクライナ侵攻の衝撃が長く影を落とす可能性がある。

Euro-Area Productivity Seen Rebounding With Economy

Source: ECB's June 2024 economic projections

  十分な改善がない場合、ECBの政策スタンスを支える予測が揺らぐ恐れがある。アナリストは現在、ECBが今週の会合で利下げを見送った後、秋に利下げを再開するとみている。

  BNPパリバのエコノミスト、ポール・ホリングスワース氏(ロンドン在勤)によると、賃金動向はおおむねECBの予想に沿っており、企業の利益率は圧縮されつつある。

  「ECBは単位労働コスト上昇圧力を緩和するために、生産性向上に大きく依存している。もし向上しなければ、つまり生産性低下が単なる循環的なものではなく、もう少し構造的なものであれば、それはインフレにも重大な影響を与えるだろう」と同氏は述べた。

Euro-Zone Inflation No Longer Fueled by Profits

Source: ECB

  一部のアナリストは、2025年と26年に生産性が約1%上昇するとのECBの見通しは、最新の予測で下方修正された後でもまだバラ色に過ぎると指摘する。予測はパンデミック前20年間の平均の0.6%を 上回る

  生産性の指標は、昨年は約1%、今年1-3月(第1四半期)は0.6% 低下した。一般的な説明は、労働力不足が、成長低迷にもかかわらず多くの企業に労働者を雇用し続けることを促したというものだ。

  ポイント72のエコノミスト、ソエレン・ラッド氏は「25年と26年のECBスタッフ予想はまだ強過ぎるように見える。当社は生産性向上によるディスインフレ圧力をECBより低く見積もっている。深い利下げサイクルを期待しない方がいいという議論は依然として成り立つ」と語った。

  ECBは18日に金利を決定する予定だが、エコノミストは皆、中銀預金金利が3.75%に据え置かれると予想している。次回会合は9月で、新たな経済見通しが得られるに伴い再び利下げが実施される可能性が高いとみられている。

  先月の金融政策決定会合の 議事要旨によれば、当局者はリスクを理解している。「賃金上昇によるインフレ圧力を企業が利益率でどの程度吸収するのか、また生産性が予想通りに反転上昇するのかについて、さらなる証拠が必要だ」としている。

原題: ECB’s Inflation Endgame at Risk Over Productivity Challenge(抜粋)

 

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