南アフリカの新型コロナウイルスへの対応は、汚職や政治の腐敗によって出遅れているとのニュースがＡＰ通信より伝えられている。南アの感染者数は世界で５番目に多い。政府は２６０億ドルの救済策を打ち出しているが、多くの問題を抱えているため、国民は「命が脅かされている」と警告している。
ラマポーザ大統領は２３日（木）夜の全国民向け演説で、悪質な役人や民間企業が国のコロナ収束に向けた努力を「妨害」しているという調査結果を発表した。「これまでのどの時期よりも、腐敗が私たちの生活を危険にさらしている」との見方を示し、「貧しい人々のための食糧、医療従事者のための個人用保護具、新たに解雇された人への助成金、すべてが影響を受けた」と述べた。
南アはサハラ以南のアフリカのどの国よりも、コロナへの準備が整っていると世界中から見なされている。しかし、長年にわたる腐敗が蔓延しているため、医療などの制度は弱体化している。今回、政府のスポークスマンはコロナ救済金に関連する２０件以上の汚職事件を調査していると明らかにした。
パンデミック関連の汚職は南アフリカ全体で報告されており、各国政府はコロナ収束に注力しているものの、感染拡大は止まっていない。世界保健機関（ＷＨＯ）は２０日、アフリカ大陸における新型コロナウイルスの感染拡大に警鐘を鳴らしていた。
南アフリカランド円は昨年末につけた７．８円台の高値水準から、４月６日には５．５９４円前後まで下落を続けた。その後は戻り歩調をたどったものの、６月１０日の６．５６０円近辺、７月２２日の６．５４１円近辺と、６．５円台で上値を阻まれている。
資源国通貨として知られる南アフリカランドであるが、世界的な経済低迷を背景にした資源価格の下落見通し、これに加えて、同国自体の新型コロナの感染拡大が嫌気されているもよう。日足チャート的には、６円の大台を割り込むと「ダブルトップ」形成の可能性もあり、ランド急落のリスクが高まりそうだ。
ZARJPY 6.360
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執筆者 : MINKABU PRESS
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