昔のクルマは鍵を差し込んで開けるタイプが主流でしたが、最近では電子キーが主流となっています。アナログタイプのものに比べて、カギを抜き差しする手間が省ける一方、電子キーを車内に「閉じ込め(インキー)」てしまうなどのトラブルも起こっています。
鍵のとじ込みはなぜ起こる?
最近のクルマの鍵は、電子キーが主流となっています。電子キーは導入されてから10年以上が経過しており、いまでは、ほぼすべてのモデルが電子キーを採用しています。
アナログタイプのものに比べて、カギを抜き差しする手間が省ける一方、電子キーを車内に「閉じ込め(インキー)」てしまうなどのトラブルも起こっています。
電子キーでは、鍵についたボタンでクルマの鍵を開け閉めできるものから、最新のものでは鍵をポケットやバッグに入れた状態で、ドアノブに触れるだけで解錠・施錠ができる優れモノも登場しています。
一方で、その電子キーを車内に閉じ込めたまま外に出てしまい、開かなくなってしまったというトラブルも多く発生しているようです。
JAFによると、2021年の「キーの閉じ込み」によるロードサービスの出動件数は約12万7000件。なぜ、キーの閉じ込みトラブルは起きてしまうのでしょうか。
JAFの広報担当者はこのことについて以下のように話します。
「一般的に多い原因として、うっかり車内に置き忘れる、カバンのなかに入っていると思って出たら車内に鍵があり、閉じ込められたなどの理由が挙げられます」
電子キーを車内に閉じ込めてしまうのは、利用者の「ヒューマンエラー」(人為的なミス)に起因することが多いといいます。
例えば、電子キーの開閉ボタンでトランクを開け、荷物を出し入れしているときに荷室内にキーを置いたまま、トランクを閉めてしまうといったケースが挙げられます。
電子キーでトランクの開閉ボタンを使ってトランクだけを解錠しているので、ドアは解錠されておらず、その状態でトランクを閉めてしまうことでキーの閉じ込めを起こしてしまうのです。
また、国民生活センターには、車内に置いたままのカバン内の電子キーのボタンが、何らかの理由で押されてしまってドアが施錠されたケースも報告されているそうです。
ほかにも、車上荒らしなどを防ぐ防犯上の機能によって、キーの閉じ込めが起きてしまった事例もあります。
電子キーのなかには、ドライバーが誤ってボタンでロックを解除してしまい、そのままクルマから離れてしまった場合の防犯機能として、ドアロックの解錠後、そのままドアを開けずに一定時間が経過すると再びドアをロックする機能が搭載されているものもあります。
しかし、この機能が裏目になり、荷物だけ積み込んでドアを閉じた際に、勝手にドアが施錠されてしまったという自体に陥ってしまう可能性があるのです。
本来、電子キーが車内にあればドアロックしないようになっており、キーの閉じ込めが起きないように開発されています。
ただ、電子キーは人が身に付けていることで、人がアンテナとなって電波を送受信しやすくなっており、例えば、後席に荷物と一緒に置いてしまったような場合、電波の感度が低下して、キーの閉じ込めを防止する機能が正常に作動しない状態になってしまうこともあるようです。
さらに、電子キーの内蔵電池の電力が低下して動作が不安定になってしまうケースもあります。
モデルによって異なりますが、電子キーの電池交換を促す機能があり警告してくれるので、そうなった場合は速やかに電池交換をしたほうが良いでしょう。
大体の電子キーは1年から2年は電池が持つといわれていますが、動作が不安定にならないためにも、1年に一度、定期的に電池交換するのが安心かもしれません。
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