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山形・庄内空港-滑走路延長の鍵(1) 訪日観光本格再開 - yamagata-np.jp

2023/8/15 14:08

山形空港に到着した台湾からの国際定期チャーター便。近隣国だけでなく、中長距離国際線を見据えたインバウンド拡大には、滑走路の2500メートル化が求められる=2018年、東根市

 新型コロナウイルス感染症の水際対策の緩和に伴い、海外からの旅行客が急増している。政府観光局によると、今年1~5月に日本を訪れた外国人旅行客は推計863万人8500人で昨年1年間の383万1900人を大幅に上回った。経済波及効果が大きいインバウンド(訪日客)への期待は高まるが、本県を含めた地方への影響は顕著とは言えない。

 旅行者は東京や京都、大阪をつなぐ通称「ゴールデンルート」に集中している。観光庁の外国人の延べ宿泊者数(速報値)を見ると、本県は1、2月は好調だったが、1~5月は7万2380人と全国34位、東北5位にとどまった。

 コロナ前も本県は東北で4、5番目だったものの、2015年の7万5720人から19年には23万4050人まで増え、19年の前年からの伸び率は1.43倍と、東北トップだった。19年は山形、庄内両空港に、台湾を中心とする国際チャーター便が過去最多の253便就航した。県内に直接乗り入れするチャーター便はインバウンド拡大の鍵の一つだが、山形、庄内両空港の「2千メートル滑走路」がチャーター便受け入れを阻む壁になっている。

 「安全面で不安、と言われたことがある」。吉村美栄子知事は7月の定例記者会見で、過去の海外航空会社へのトップセールスの様子を振り返った。

 東北6県で2500メートルの滑走路がないのは本県だけだ。県などによると、2千メートル滑走路で離着陸できる性能の機体でも、海外の航空会社は社内ルールで、機体のサイズや重さ、滑走路の長さから運航の可否を決める。操縦士の経験にも左右される。台湾のある航空会社は、150人程度の小型機でも、降雪を理由に県内空港への着陸に難色を示したという。タイやシンガポールといった中距離になれば、燃料の関係から中型機や大型機が必要で、2500メートルが不可欠になる。

 東北各県ではコロナでストップしていた定期便やチャーター便の運航が始まっている。仙台空港やいわて花巻空港では台湾や韓国などとの定期便が復活した。青森空港はコロナ前に定期便が就航していた韓国、台湾間から1~4月に計40便のチャーター便が飛び、福島空港にも1~5月にベトナムから26便が就航した。秋田空港と台湾間でも12月から来年3月までチャーター便が33往復する。

 山形空港には台湾の中華航空が10月上旬から1カ月間、チャーター便を16往復32便運航し、最大約2400人が来県する予定になっている。山形―韓国間のチャーター便運航計画もある。吉村知事は会見で、多くの海外旅行客に県内を周遊し、宿泊してもらうためには直接乗り入れによる増便がポイントになると指摘。そのための機能強化として「両空港の滑走路延長が重要な要素」と強調した。

     ◇

 政府の第4次観光立国推進基本計画(23~25年度)は大都市に偏っている旅行客の地方分散を柱に掲げている。国内のインバウンド獲得競争が激しさを増す中、継続的・安定的な受け入れには、県内空港の滑走路の2500メートル化が急務だ。延長を巡る経緯、多大な費用が見込まれる整備の実現に向けて取り組むべき課題を探る。

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