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「失敗マーケ」脱却の鍵 BtoBマーケで成果出す3つのステップ - 日経クロストレンド

「日経クロストレンド BtoBマーケティング大賞」の審査員がBtoB(企業間取引)マーケティングを深掘りする連載の第5回。登場するのは、Google広告をナショナルクライアントに普及させた立役者の一人、カラフル(東京・渋谷)代表の小笹文氏だ。新しいツールが続々と登場し、AI(人工知能)も実装される中、マーケターはどう考え、どう行動すればよいのか。

カラフル代表の小笹文氏

カラフル代表の小笹文氏

小笹 文(おざさ あや)氏
カラフル 代表、コミュニティマーケティング推進協会 理事

1999年リクルート入社。マーケティング推進部およびブライダルディビジョンでの法人営業を経て、2006年にGoogleへ転職、セールスマーケティングに従事。その後11年にイベントレジストを共同創業。取締役最高業務執行責任者(COO)として、イベント業界向けSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)の営業およびマーケティング部門、経営管理部門を立ち上げ管掌。20年に退任後、カラフルを創業し、BtoBマーケティングのコンサルティングを行っている。技術経営修士(専門職)、経営管理修士

この記事の流れ

  • 失敗の原因は「勝ちパターン」の単なる模倣
  • ペルソナの解像度を上げれば施策は自動的に決まる
  • 展示会は“上司訪問仕様”に変更
  • AI時代に大切なのは「人」を見ること

失敗の原因は「勝ちパターン」の単なる模倣

――現在は社外取締役などとして、複数企業のBtoBマーケティングの戦略立案を支援されていますが、そもそもBtoBマーケに関わった背景は。

小笹文氏(以下、小笹) スタートは、2006年、リクルートから転職してGoogleの日本法人に参画した時からです。当時はまだ認知度が低く、日本のナショナルクライアントに広告出稿をしてもらえないような時代でした。

 そこで私は、高広伯彦氏(現マーケティングエンジン代表取締役)が率いるアドセールスプランニング(広告営業企画)チームの一員として、Googleのミッションや実現したい世界観を、企業を回って啓蒙する活動を地道に行っていったのです。

 従来のトラディショナルな広告とは異なること、広告主の自由度が高くマーケティングの民主化に寄与することなどを泥臭く説いて回り、いわば、「Googleに対する疑問や誤解を解く」ことに奔走しました。

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――在任中はGoogleによる「YouTube」の買収があり、YouTube広告の設計や販売、マーケティングも自ら考案し、切り開いています。

小笹 そうした中、じわりと効いていることを実感したのが、それまでに行ってきた啓蒙活動です。新しいツールとしてのYouTube広告の機能やリーチ力はもちろん大事ですが、それよりも重要なのは、自分たちは何を使命として、どういう製品を出していきたいのかを、企業側に理解してもらうこと。

 結局、クライアントとしては、Googleが用意した新しい船に一緒に乗っていいのかを見極めたいわけです。その際、事前にミッションやビジョンが浸透していれば、どんなに新しい機能やサービスを出しても「Googleらしいね」と受け入れてもらえます。

 製品やサービスを売るよりも前に、自分たちは世の中をどうしていきたいのか。それをしっかり共有していくことの重要性を学ぶことができ、以後、私がスタートアップの経営やマーケティング支援をする際にも、根本的な考え方として大切にしています。

Googleで、ビジョンやミッションを顧客に啓蒙することの重要性に気付いたという(出典:wolterke/stock.adobe.com)

Googleで、ビジョンやミッションを顧客に啓蒙することの重要性に気付いたという(出典:wolterke/stock.adobe.com)

――BtoBマーケティングには20年近く携わっています。その中で感じる日本のBtoBマーケの課題は。

小笹 ひと昔前、BtoBマーケティングは企業によって重点度合いや手法が異なるため、標準化も共有もされず、その企業内でブラックボックス化していたのが実情でした。潮目が変わったのがデジタルマーケティング(デジマ)を実践する企業が増えたことです。デジマは提供するベンダーによってハウツーの開示が進められ、勝ちパターンの共有が一気に促進されました。

 ただし、ここで問題が起きます。それは、勝ちパターンをまねすればマーケティングはうまくいくと、多くの企業が勘違いしてしまったことです。仮に、Google広告を運用して成果が出たという事例が共有されたとします。その成功のノウハウは、Google広告を使う際には確かに有効かもしれません。しかし、その会社が本当に使う必要があるかどうかは別の話です。

――必ずしも他社の成功パターンが自社に通用するとは限らない。

小笹 そうです。何をどうやって知ってもらうかの戦略づくりが欠かせないのに、それを飛ばしてしまい、思考停止して失敗する企業が散見されます。例えば、SaaS系の企業は単純にデジマでどうにかしようと短絡的に考えがちです。

 しかし、その企業が対象とする顧客層によっては展示会の方が有効かもしれない。ウェビナーを開催するよりも、リアルでセミナーを行った方が効果的な場合もあるでしょう。当たり前の話ですが、BtoBマーケティングの施策はデジマだけではないのです。

小笹氏は、他社の成功パターンを安易にまねする風潮に、警鐘を鳴らす

小笹氏は、他社の成功パターンを安易にまねする風潮に、警鐘を鳴らす

ペルソナの解像度を上げれば施策は自動的に決まる

――どうすれば、デジマ一辺倒の短絡のわなに陥らずに済みますか。

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特設サイトで詳細を公開しています

 「日経クロストレンド BtoBマーケティング大賞」を新設し、応募受け付けを開始しました。産業財や生産財、ITやサービスに至るまで、法人向け商材を展開しているBtoB(企業間取引)企業のマーケティングに焦点を当て、その取り組みについて表彰します。大賞は、2024年6月に日経クロストレンド内で発表予定です。
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