東海地方で自動車盗を繰り返していたとみられるグループが6月、愛知、千葉両県警に摘発された。半日足らずで約300キロ離れたヤードへの運搬や車台番号の改ざんまで完了する〝早業〟を可能にしたのは、車の制御システムに直接侵入する「CANインベーダー」と呼ばれる手口だ。キーなしで車体をほぼ傷つけずに盗むことが可能で、専門家は「二重三重に対策を組み合わせることが重要だ」と厳重な警戒を呼びかけている。
捜査関係者によると、窃盗や盗品等保管の疑いで逮捕された10人は、トヨタ車を何台も盗んだ後、千葉県八街市などのヤードに運搬。車台番号が刻印された金属板を付け替えた上で海外へ輸出していたとみられる。
両県警による追跡捜査で判明したのは、犯行のスピーディーさ。捜査幹部が「午前11時に千葉のヤードに踏み込んだら、前夜に愛知で盗まれた車の車台番号の改ざんがすでに始まっていた」と舌を巻くほどだった。こうした犯行を可能にしたのが、CANインベーダーだ。
特殊な機器で車外からCANと呼ばれる制御システムのネットワークに接続して侵入する手口で、キーがなくてもわずか数分でドアを開けたり、エンジンを始動したりすることができる。そのまま運転して現場から立ち去ることができるため、途中でナンバープレートを付け替えれば、警察による追跡が難しくなる。自動車の専門家は「他のどんな手口よりも簡単で速く、盗む側のリスクが低い」と指摘する。
機器は国内では手に入りにくいが、海外のウェブサイトでは「緊急用ツール」の名目で販売されている。100万円前後と決して安くはないが、高級車を1台盗めば元が取れてしまう値段だ。
カーセキュリティー用品を手がける「加藤電機」(愛知県半田市)の加藤学社長は「元々備え付けられているセキュリティーではCANインベーダーに太刀打ちできない」と強調。車のハンドルを動かないように固定するハンドルロックや、異常を感知すると大音量で鳴る後付けのカーアラームなども用いて何重にも対策を重ねることが重要だと指摘した。
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