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トンネル切り羽の無人化は目前、最後の鍵は装薬・発破 - ITpro

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土木工事でも山岳トンネルは特に過酷な現場だ。そのため、各建設会社が自動化・遠隔化の開発に力を入れる。「肌落ち」の危険性が高い切り羽における無人化の最後の鍵となるのは装薬・発破だ。

 山岳トンネルの掘削作業で現在、各建設会社が自動化や遠隔化に注力するのは装薬・発破の工程だ。切り羽に開けた装薬孔に火薬を装填し、雷管に結線したうえで点火・発破する。従来、作業員が危険な切り羽直下に立ち入って作業していた。

 この装薬作業の機械化で、大成建設がアクティオ(東京・中央)と共同で開発したのが爆薬装填装置「T-クイックショット」(資料1)。パイプを通して、圧縮空気で火薬を装薬孔に送り込む。作業員が切り羽から1.5m離れた位置で作業できる。

資料1■ 圧縮空気と潤滑水で装薬

資料1■ 圧縮空気と潤滑水で装薬

「T-クイックショット」の概要(出所:大成建設の資料を基に日経クロステックが作成)

[画像のクリックで拡大表示]

 これで離れた箇所から装薬できるようになるが、その後の結線で作業員は切り羽に近づく必要がある。解決の切り札と期待されるのが、無線電子雷管だ。トンネル現場で実用化すれば、結線不要で切り羽から離れた場所で起爆できるようになる。

 無線電子雷管は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)で実用化に向けた研究・開発が進む。2023年度に始まった第3期で取り組むテーマの1つだ。建設会社では大成建設と熊谷組、前田建設工業が研究に加わる。

 大成建設土木技術部トンネル技術室の宮本真吾課長は、「無線電子雷管ができても、それを装填する装置がないと機械化を実現できない」と説明する。T-クイックショットを発展させて、装薬・発破工程の自動化を実現する考えだ。

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